2024年07月08日

法人研修 絵画活動

          絵画活動について
                         2024.7.6  

 6日(土)法人全体研修会をC&C生きている証・劇場で
開催した。各事業所で行われている絵画活動の取り組み
実践報告、C&Cで行われている一人の利用者さんの支援
に関する実践報告そして静岡大学香野毅教授による『生活
に寄り添う支援の技術とこころ』の講演をそれぞれ興味深く
聞かせていただいた。今朝の送迎時に同乗していただいた
ナラティヴ職員に今回の研修に関して感想を訊くと「よかっ
た」「実践報告が好きなので、ナラティブの報告はもちろん
のこと絵画についての各事業所の実践を聞くことができて
よかった。また、「香野先生の講演もとても分かりやすくて
よかった」と。ミルキーウェイも職員も同じような感想を述べ
ていた。

 他の職員はどう感じられたのでしょうか?



 さて、私はこの絵画活動に関しても総評を述べる役目があり
少し話をさせていただいたが、何せ話下手ゆえにまとまりが
なかったので、いいたかったことその思いをここに著してみた。





 各事業所での絵画活動の報告ありがとうございます。個性的
な作品が多く、「巨匠」と同等あるいはそれ以上の作品がありま
したこと、とてもうれしく思います。

 そして、何よりもこの活動を通じて利用者が喜々とした笑顔で、
やわらかな表情で作品作り取り組まれているという報告は私た
ち支援者にとってもそれはうれしいことであり、働き甲斐につなが
っていき、ありがたいことです。


 さて、絵画活動を輝望会で取入れをしなければと思った理由を
この時間を借りて、改めて説明させていただきます。



1.津久井やまゆり園 事件
 当初元職員だった加害者植松聖死刑囚の異常性が注目され
ましたが、その後やまゆり園に虐待があり、日中活動も限りな
く貧しいものであったことが報告されました。



 では、輝望会はどうなのかと、思いを馳せました。


2.3つのキーワードより輝望会の支援を考えてみました。
 
 (1)合理的配慮
   知的な、あるいは自閉症の障害がある方にとっての合理的
 配慮とは何か。それは、個々にあったわかりやすい、また安心安
 全な環境なのだと思います。

 これができているか?


 (2)意思決定支援
 
  私たちの反省は知的な、あるいは自閉症の障害のある方に様々
な面であまりにも限られた選択肢しか用意してこなかったことだと思
います。

 それは、前提として「多くの選択肢を出しても決められない」とか「決
まったものを常に選ぶから多くの選択肢はいらない」などがあったので
はないかと思います。そのことは意思決定するチャンスを潰してきてし
まったことにもつながるのかもしれません。


 私たちは多くの日中活動の選択肢を提供できていますか?

 選択肢の中から自身の思いとして一つを選ぶ力がどの程度あるのか。


 提示する情報は写真、絵、マーク、シンボル、言葉等でOKなのか
どうか、それらは個々の利用者で異なりますが、これを私たちはちゃ
んとアセスメントしたうえで利用者の思いに寄り添い、それをくみ取っ
てきたのか。
 

 (3)虐待防止

  盛んに虐待防止に関する啓発を輝望会でも行っています。虐待の
5類型や拘束の3原則遵守とその記録など学んできました。

 虐待をしないのが当たり前なのに、何かその防止にだけ支援の視
点がいき、働く動機になってしまっているような気にさえなってしまい
ます。


 それは本来の支援からほど遠いものとして私には映りますし、消極的
な支援にしかなっていないような気になってしまいます。


 私は支援を考える場合、上記2つのこと「合理的配慮」「意思決定支援」
「本人意思の尊重」等いわゆる「援助」ではなく本人主体の「支援」があれ
ば虐待は起こらないと思っています。
 
 真逆の言い方をすれば、合理的配慮がまったくなく、本人の意思を施設
の都合という名のもとに完全に否定する。


 するとどうなるかをイメージし、そうなっていないか点検をしてほしいと
も思う。

 個々の利用者にあった日中活動に様々なメニューがあり本人の意思
によってそれらが選択できるようになっていれば虐待は起こらないので
はないかと思っています。

 そう、アセスメントなしのマンネリ化した活動や活動も準備されない自
由時間が多ければ多いほど、またそれは排せつのタイミングを逃してし
まうことにもつながっていき利用者に制止や規制が多くなり、小言も言って
しまうかもしれません。


 支援者側の支援に関する創意工夫の問題が何か利用者さんの個人
が持っている性格や気質に転嫁されていないだろうか。そんなことを思
ってしまいます。



 以上3つのキーワードから日中活動をより豊かにしていくための一つ
の手法として絵画活動を取り入れようと思いました。昨年度は、落合
先生の講演や見晴学園や富岳会の絵画活動の見学、あるいは静岡県
障害者文化芸術活動支援センターの「みら~と」の遠藤さんや伊藤さん
の実技指導をうけてきました。本年度は、静岡県知的障害者福祉協会
文化芸術活動コーディネーターに7月よりC&Cに来ていただき絵画活
動に関する手法を学んでいきます。

 また、静岡県知的障害者福祉協会がやっている「アートで広がる支
援講座」でもそれらを学んでいきたいと思います。来年度からは、C&
Cでの絵画活動は行いませんので、今まで述べてきたことを思い出し
ていただきながら、各施設で実践をしていくことを期待しています。


 報告者の皆さん、楽し気な実践報告ありがとうございました。

法人研修 絵画活動


                         いけたに


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Posted by 輝望会スタッフ at 10:28│Comments(0)今日の一言
 
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