出会い ありがとう

　先日見舞いに行った四十数年のお付き合いが
あった方が亡くなった。

　法人認可を受け、新生「沼津のぞみの園」で私が
働くようになったとき、彼女はいた。同じ生活班で活
動をした。



　感覚統合訓練で粗大運動や巧緻性を高める
手指の微細運動を彼女と行った。

　ちっちゃなモノをつかむ時、親指と人差し指の先で
つまむが、彼女は親指と人差し指の関節の横で
はさんでつまみ上げた。
　なので、親指と人差し指の先が入る枠を作りその
中にビー玉をいれとってもらうことをした。

　今にして思えばそんなことも懐かしい。


　言葉はなかったけど、それでも私のことを「シロ」
と呼んでくれ、挨拶がわりに手を繋ぐと数回ジャン
プをし「もうこれ以上はできない、疲れた」を表すた
めに自分の心臓の辺りを指さした。


　嬉しい時は、手を重ね口に持っていき「カッカ」と
笑った。こちらの気持ちもが共鳴する笑顔を私たちに
向けてくれた。


　本日通夜。明日告別式。


　どんな顔をして会おうか。


　もしかしたら，ずっと泣き顔をみせてしまうかもしれな
い。


　忘れずに「ありがとう」を伝えたいと思う。

　出会えて本当に良かった。



　安らかにお眠りください。


　　　　　　　　　　　　　合掌　　　いけたに